台湾茶王とは?

2022/11/25 ブログ

【台湾全土の茶王】を決めるコンテストが一度だけ開催されたのをご存知でしょうか。

冠軍奨を取ったチャンピオンたちで戦ったので当店が契約した【台湾茶王】陳錫卿師(チェン・シーチン)は総冠軍奨に輝かれました。


オークションで350万円という過去最高額がつきました。
最終20名の中で、茶王以外19名全員の得点が500点台だったのに対し、台湾茶王はなんと622点を獲得しています。

すぐに「高冷茶王」というペットボトル茶が発売されて、「茶王」と王力宏(ワン・リーホン)さんがCMをしました。

二年に一度、中央政府が決める十大神農がありますが、有機など良質な農作物を作った10人が選ばれます。これは、政府が話し合って選出される為、野菜、果物、養豚、お茶。。など様々ですが、例え茶農家が選ばれても台湾茶王は名乗れません。
コンテストで選ばれた訳ではないからです。
因みに茶王も李登輝さんの時代に十大神農に選ばれています。

東方美人茶、阿里山茶、凍頂烏龍茶など、それぞれ何千農家もいる中でチャンピオンに輝けば、自ら台湾茶王と名乗る方もいることでしょう。

但し、台湾全土でチャンピオンに輝く偉業を果たした【茶王】は台湾唯一の【台湾茶王】ということになります。

当店が扱う台湾茶王について、「茶王」と表記しておりましたが、ややこしいようで、今は「台湾茶王」と表記しております。


 
允芳 精萃極品茶の陳錫卿師(チェン・シーチン)は、台湾政府主催の2段階のコンテストで台湾茶王になりました。2004年、陳錫卿さんは全国から集まったエリートばかりの準決勝で清香型の冠軍(チャンピオン)になりましたが、その段階ではまだ茶王ではなく、決勝戦でチャンピオン・オブ・チャンピオンになり、「総冠軍」となりました。
「冠軍」に「総」が付いたことで、台湾にたった一人ということになるそうです。


 
台湾中央政府がニュースで「遂に台湾の茶王が決まりました」と発表したので、その日から陳錫卿さんは台湾の茶王と呼ばれ、台湾の茶王としての人生を歩まれました。
その後、沢山の茶産地が二度棄権したため、台湾政府(行政院農林水産省)台湾茶王のコンテストは現在までは行われておりません。
台湾茶王が一人しかいないというのは、茶産地が棄権したら行うことの出来ない規模のコンテストで、これまで行われなかったためです。


 
台東縣政府が茶王と私を対面させた時、「台東縣の茶王ですか?」という質問に対して、「台湾の茶王で、一人しかいません。茶王が台東にいるんです。」と説明を受けました。


 
日本の方から、台湾は茶王だらけというお話をたまにお聞きします。
「総冠軍」はどこが主催のコンテストなのか、企業などではなく台湾政府が認めたものかどうかが重要だと考えます。
とはいえ、現在花咲み荼が扱う台湾茶王さんのお茶は、茶王さんが作る鹿野茶区のお茶のみで、種類がかなり少なくなりました。

 

 

2021年くらいまで、花咲み荼は、台湾茶王さんの全盛期のお茶を扱っておりました。
16種類のお茶の中には、昨年のワールドティーフェスティバルでテレビ中継され、完売した幻の蜜香烏龍茶、また2019年の東方美人茶は、芽が出て数日でかなりの確率でウンカに噛まれたもので、茶王の本気の東方美人茶でした。
お客さまが驚かれ、花咲み荼のお茶を好きになって下さる方が増えていきました。
ほんの少し焙煎された1600mの奇来山茶、土が新しく最高の時期(3年~8年)の1600mの泰崗茶は、桃のような香りがありました。これまで、忘れられないお茶が沢山あります。茶王さんの茎から戻る水分の計算はかなりのもので、締りがよく、葉の淵すら赤さがありませんでした。持続力と茶殻の漬け置きのご馳走っぷりは飲まれた方にしか分かりません。


 
一般的に、茶の葉は標高の高い方が美味しいですが、茶王さんを含め、技術を持っている人がなぜか標高が高くない所にいることが多いことを実感しております。
お茶を作る技術が優れていると判断させていただいた名人のお茶はあまり公表はしていませんが、弊社が扱わせていただいている有名な企業様は広く知っていただくようにしております。

 

高級茶を淹れる技術や舌を養うためには散財してしまうことが多く、沢山の種類を扱うのは難しいですが、花咲み荼のスタッフは1000本ノックのようにお客様の高級茶を淹れ続け、スタッフ同士、切磋琢磨して経験値を上げ続けております。

また当店は、茶道は外してお淹れしております。それでも一見優雅にお淹れしていると感じられます。

 

お茶は生き物、お客様も一人一人違います。気候も茶葉の状態もロットも変化しています。実際は茶葉との戦いです。 ご家庭でお淹れになるお茶と、店舗でお飲みになるお茶が少し違うのは、スタッフも常にプライドをかけて戦い続けている証だと考えます。
花咲み荼は、お客様にご満足いただけるお茶を淹れ続けられるよう、これからも精進して参ります。